
肥満治療
(GLP-1受容体作動薬ウゴービ)
wegovy
肥満症とは

肥満とは、単に体重が多いというだけではなく、「病気」としての側面を持つ医学的な状態です。特にBMI(体格指数)が25以上の方は「肥満」と定義され、糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群、さらには心疾患や脳卒中、関節障害、がんの一部など、全身にさまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。
実際に、日本においても肥満は年々増加しており、いまや国民病の一つとも言える状況です。しかし、「自己責任」や「努力不足」といった誤解により、適切な医療介入が行われずに放置されてしまっているケースも少なくありません。
肥満症はエネルギー摂取と消費のバランスの乱れによって起こる代謝性疾患であり、食欲や満腹感を調整するホルモンの働きの異常や、遺伝的背景、ストレス、生活環境などが複雑に絡み合っています。
当院では、肥満に悩む患者様一人ひとりの体質や背景に応じて、医師が科学的根拠に基づいた安全な治療法をご提案します。これまで何度もダイエットを試みては挫折してしまった方、自力での体重管理に限界を感じている方も、お気軽にご相談ください。
ウゴービについて
「食欲が止まらない」「何度もリバウンドしてしまう」「努力しているのに結果が出ない」・・・こうした肥満のお悩みに対し、近年、医療の現場で新たな治療選択肢として注目を集めているのが、GLP-1受容体作動薬『ウゴービ(Wegovy)』です。
ウゴービの主成分であるセマグルチドは、人の体内に本来存在する「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」というホルモンに類似した働きを持ちます。GLP-1は、脳の満腹中枢を刺激して食欲を抑えたり、胃の動きを緩やかにして空腹感を軽減したりする作用があります。
この働きを活用したウゴービは、週1回の自己注射により体内に持続的に作用し、自然に食事量を減らし、無理のない形で体重を落としていくことが可能となります。2021年には米国FDAにより肥満症治療薬として承認され、2023年には日本でも肥満治療薬として使用が開始されました。
従来の「我慢」や「根性」に頼ったダイエットとは異なり、ウゴービは脳や消化管に働きかけることで食欲そのものをコントロールする新しいタイプの治療法です。
このような方におすすめです
- 食欲が抑えられず、ダイエットをしてもリバウンドを繰り返している
- 健康診断で肥満や生活習慣病を指摘された
- 体重による関節や腰への負担を減らしたい
- 医師の管理のもと、安全に効果的なダイエットを始めたい
- 将来の糖尿病や心血管疾患のリスクを減らしたい
治療方法について
ウゴービを用いた治療は、週に1回の自己注射によって、脳の食欲中枢や胃腸の動きに働きかけ、自然と食事量を減らすことを目的とした医療的ダイエット治療です。
この治療は、単に体重を落とすことだけでなく、肥満によるさまざまな健康リスクを軽減し、生活習慣病の予防・改善を目指す「根本治療」でもあります。ウゴービ治療では、安全性を重視して「漸増投与(少量から段階的に増やしていく方法)」が取られます。治療開始から約16週間をかけてゆっくりと用量を増やし、最終的に維持用量(2.4mg/週)に到達します。
ウゴービの最大投与期間は68週(約1年4か月)とされていますが、治療が68週に満たない段階であっても、肥満に伴う健康障害(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)が明らかに改善された場合には、医師の判断で早期に終了することがあります。また、体重の減少や生活習慣の安定が確認できた場合も、治療を終了し、その後の維持・フォローアップに移行するケースがあります。
投与方法について
- 注射は週に1回、ご自身で行っていただきます。
- 腹部、太もも、または上腕のいずれかに皮下注射します。
- 食前・食後を問わず、いつでも投与可能です。
慣れるまでは医師が丁寧に指導し、無理なく取り組めるようサポートします。
治療の流れ
1. 初診・カウンセリング
医師による問診と診察を行い、治療への適応を確認します。必要に応じて採血などの検査も実施します。
2. 適応の確認と同意
治療内容・費用・副作用・注意点などを丁寧にご説明し、十分にご納得いただいたうえで同意書に署名いただきます。
3. 治療開始(初回投与)
自己注射の方法について看護師または医師が丁寧に指導し、その場で初回投与を行います。ウゴービは最小用量から開始し、4〜5週ごとに段階的に増量していきます。
4. 定期フォローアップ
治療中は数週間ごとに診察を行い、体重や副作用の有無を確認します。必要に応じて血液検査を行い、安全に治療が続けられるようサポートいたします。
ウゴービ治療の対象となる体格の目安
当院でウゴービ注射による肥満症治療(GLP1メディカルダイエット)が開始できる体格の目安です。
体格の目安としては、【BMI 23以上】の方が適応となります。BMI 22台以下の方は当院ではお受けすることができません。一般的に肥満とされるBMI 25以上が、より望ましい開始基準になります。
BMI 23(開始が可能な基準)とBMI 25(開始が望ましい基準)の目安となる体格は以下のようになります。
身長 | BMI 23の体重 | BMI 25の体重 |
---|---|---|
145cm | 48.3kg | 52.5kg |
150cm | 51.7kg | 56.2kg |
155cm | 55.2kg | 60.0kg |
160cm | 58.8kg | 64.0kg |
165cm | 62.6kg | 68.0kg |
170cm | 66.4kg | 72.2kg |
175cm | 70.4kg | 76.5kg |
180cm | 74.5kg | 81.0kg |
副作用とリスクについて
ウゴービは高い効果が期待できる一方で、副作用のリスクもあります。副作用を最小限に抑えるため、当院では少量からの投与開始と、定期的なモニタリングを徹底しています。
- 吐き気、嘔吐、下痢、便秘、胃のもたれなどの消化器症状(治療初期に多い)
- 頭痛、倦怠感
- 食欲不振
- 低血糖(糖尿病治療薬と併用している場合)
- 胆石症や膵炎など、まれに重篤な副作用
ウゴービを使用できない方
ウゴービ治療は医学的根拠に基づく安全な肥満治療薬ですが、すべての方に適応されるものではありません。
以下に該当する方は、安全性の観点から当院ではウゴービによる治療を実施しておりません。
- 18歳未満の方
- 医師の説明に同意・理解が得られない方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方、授乳中の方
- 重度の胃腸障害(例:胃不全麻痺)のある方
- 甲状腺髄様がん(MTC)の既往歴または家族歴がある方
- 多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の既往歴がある方
- GLP-1受容体作動薬で重篤なアレルギー反応を起こしたことがある方
- 膵炎の既往歴がある方
また、以下に該当する方は、ウゴービ治療が完全に禁忌ではありませんが、医師が慎重にリスクと適応を判断したうえで、必要に応じて他の治療法をご提案することがあります。
- インスリンや他の糖尿病治療薬を使用中の方
- 肝機能または腎機能に障害がある方
- 高齢者
- 精神疾患(摂食障害、うつ病など)を治療中の方
- 持病により急激な体重減少が好ましくない方
料金表
料金(税込) | |
---|---|
初診料(問診、身体測定) | 4,000円 |
再診料(毎回の効果確認、診察) | 1,500円 |
ウゴービ注射 0.25mg | 2本:9,000円 4本:18,000円 |
ウゴービ注射 0.5mg | 2本:13,000円 4本:26,000円 |
ウゴービ注射 1.0mg | 2本:20,000円 4本:39,000円 |
ウゴービ注射 1.7mg | 2本:27,000円 4本:52,000円 |
ウゴービ注射 2.4mg | 2本:36,000円 4本:70,000円 |
ご予約について
ウゴービによる医療ダイエットにご興味のある方は、まずはお気軽に当院へご相談ください。
「自己流ではなかなか痩せられない」「将来の健康が不安」というお悩みに、医師が科学的に基づいたアプローチでお応えします。電話予約も受け付けております。
診療時間
Hours
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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9:00〜13:00 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | / |
14:00〜18:00 | ● | ● | ● | ●※ | ● | ★ | / |
受付時間:午前 8:45〜12:30、午後 13:45〜17:30
★:土曜午後の最終受付は16:30、診療時間は17:00までです。
※ 木曜午後は院長不在のため、前院長の外来となります。
休診日:第3土曜・日曜・祝日
・内視鏡検査は月〜土の午前・午後可能(木曜午後のみ休診)
・漢方診療:楊先生(毎週水曜のみ)
お電話でのお問い合わせは、診療時間内(お昼休み時間外)にお願いいたします。
アクセス
Access
- 住所
- 〒170-6007
東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60ビル7階
- 電話番号
- 03-3988-5700
- 最寄駅
- JR池袋駅東口 徒歩7分
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