MPS(筋膜性疼痛症候群)とは
マッサージや鍼灸を受けても、痛みが取れない・・。痛み止めの効果があまりない。このような悩みをお持ちの方は、「筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:MPS)」かもしれません。
MPSは、肩こりや腰痛などの原因の一つで、筋肉痛の状態が通常のように自己回復できなくなってしまった状態を指します。
日常の動作や運動、さらには長時間続ける無理な姿勢などにより、筋肉やそれを包む筋膜に過度な負担がかかることがあります。この負担が蓄積されると、筋肉が損傷し、いわゆる「筋肉痛」が発生します。通常、筋肉痛は数日間の休息や適切なケアによって自然に回復します。
しかし、MPSの場合、筋肉が過度に緊張したり、繰り返し負荷がかかったりすることで、筋肉やその周りを包む筋膜が硬直し、しこりのような「トリガーポイント(発痛点)」が形成されます。このトリガーポイントが、筋肉の正常な回復を妨げ、痛みが持続的になってしまいます。
主な症状は慢性的な疼痛ですが、多くの場合、筋肉の硬直感やこわばり、痙攣、筋肉の疲労感、筋力低下などの症状も伴います。
このMPSの筋膜の癒着を注射により剝がす(リリースする)ことで痛みを取る方法を筋膜リリースといいます。
筋膜リリース注射(ハイドロリリース)とは
硬くなり癒着した筋膜に体液と同じ成分である生理食塩水を注入し、筋膜を剝がし筋膜性疼痛を改善する方法です。浸透圧も高く、痛みや合併症・副作用のリスクもないため、妊娠中の方やお子様でも安全に治療が受けられます。
当院ではエコー画像を見ながら注射を行う、エコーガイド下筋膜リリース注射を取り入れております。
エコーガイド下で行うことにより、圧痛部位の内部の状況(軟部組織の損傷、内出血、組織間での癒着など)を可視化することができ、症状を引き起こしていると予想される部位(トリガーポイント)に的確にアプローチすることができます。同時に注射時の神経・血管損傷などのリスク低減に期待できます。
慢性的な首や肩の凝り、腰痛、関節痛などでお悩みの方はぜひご相談ください。
施術の流れ
1. 問診・診察
痛みの原因となっている筋肉・筋膜や神経の部位に目星をつけます。
2. リリースする部位の決定
超音波を当て、痛みの原因となっている部位を正確に診断・特定し、注射部位を決めます。
3. 薬液の注入
エコーガイド下に目的部位にピンポイントで薬液を注入し、物理的に水分で筋膜や神経の癒着を剥離します。
4. 効果の確認
効果は注射後すぐに現れ、注射の場所が正しければその場で7~8割の痛みがなくなります。(※効果には個人差があります)
副作用・注意事項について
- 生理食塩水を注射するので副作用はほとんどありませんが、注射部位の痛み、腫れ、内出血が生じる場合があります。
- 治療当日から入浴していただいて問題ございません。
- 痛みが取れても、誘因になるような生活習慣を続けると短期的な効果に留まることがあるため、正しい姿勢や身体の動かし方などのアドバイスも行なっています。
主な対象疾患
- 慢性的な首、肩、腰の痛み
- 膝関節痛
- 股関節痛
- 坐骨神経痛などの神経痛症状
- テニス肘
- 腱鞘炎
※筋膜リリース注射は、医師不在のため木曜日は施術ができません。ご了承ください。
料金表
料金(税込) | |
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初診料 | 1,100円 |
再診料 | 550円※ |
生理食塩水1本(10cc) | 2,200円 |
エコー代 | 1,100円 |