経口感染では細菌による赤痢、腸チフス、コレラよりも40倍から800倍以上の感染危険率があります。下水道が完備されない地域で、A型肝炎に感染した人が便をすると、不完全な上下水道に混入し、井戸水や水道水を汚染するため、生の魚介類、生の野菜を食することにより感染します。


 不幸にして感染した場合、潜伏期間は2週間から約2か月で、発症すると発熱・頭痛・下痢・黄疸などの症状が見られ、治療をきちんと受けないと、劇症肝炎になったり、腎不全を合併したりして、不幸な転帰をとることがあります。

 日本においては、若い人は特に免疫を持たない人が多いので、ワクチンを打つことは非常に効果があります。

 A型ワクチンの接種方法は、原則としては2回または3回の接種です。初回接種後、2週間から4週間後に2回目の接種を行います。これにより、2年6ヶ月の予防効果が認められています。6ヶ月後に3回目を接種した場合は、5年以上の効果が認められています。

 緊急の場合は、初回接種だけでも接種後1週間から10日後より、1ヶ月間程度の予防効果が推定されます。また、長期滞在者や、頻回に渡航される方は、5年ごとの追加接種が望ましいです。

 参考として、日本でもA型肝炎ワクチンが開発される前までは、γグロブリン(ヒト免疫グロブリン)の注射をA型肝炎予防注射として使用していました。しかし、日本ではA型肝炎の感染が激減したため、それに伴い日本人の血液で作成された免疫グロブリン中のA型肝炎抗体はほとんど認められなくなり、A型肝炎予防としては効果が期待できません。

▼感染しやすい地域
世界各国(特に東南アジア、中近東、南米、ロシア、アフリカ)