1817年、インドのベンガル地方に始まり、第2次大戦前後には、インド、東南アジア、中国など東アジアにもアジア型コレラが広がりました。1961年頃からは、インドネシアのセレベス島にのみ存在していたエルトール型コレラ菌が東南アジア全般に広がり、その後、1991年より南米ペルーに上陸し、またたく間に南米全体に広がったと言われています。


 コレラは、コレラ菌による感染症で、汚染された飲食物により、経口的に感染します。この菌は、酸に弱いため、胃酸により殺菌されることもあります。胃を通過し、小腸に入り、増殖したコレラ菌は、エンテロトキシン(コレラ毒素)を産生し、小腸粘膜上皮に作用し、体内の水分を小腸粘膜より腸管内に分泌させます。そのため、下痢と嘔吐並びに脱水による血圧低下などが見られます。

▼感染を防ぐ方法
 コレラ菌により汚染された物質の経口摂取により発症するので、コレラ菌汚染水ならび汚染食品(魚介類)の摂取に注意してください。

▼症状
 腸管内よりの水分排出(下痢)。便は水様便で、米のとぎ汁様と形容され、下痢の量は1回500ミリリットルから数リットルに及び、また嘔吐も吐乳様で、いきなり噴出します。このような重症例では、著しい脱水と電解質の喪失のため、血圧低下、虚脱等を起こし、適切な治療を受けないとショックを起こして死亡します。以上のことより、最も重要な治療は、輸液になります。ブドウ糖20グラム(砂糖40グラム)、食塩3.5グラム、重曹2.5グラム、塩化カリウム1.5グラムを水1リットルに溶かして飲ませる経口的輸液がWHOにより推奨されています。また、ポカリスエット1袋76gを1200mlの水に溶かして服用させても、同様の効果があります。

▼接種方法
 初回接種から5日~1週間後に2回目を接種します。約6ヵ月間の効果があります。WHOによって1960年からインド、バングラデシュ、フィリピンなどで行われたコレラ予防注射の効果判定では、50%といわれています。日本においては、検疫上必要と考えられる場合(相手国がコレラ証明書を必要とした場合)およびコレラ頻発地に出かける人で、希望者にのみワクチンを使用しています。

▼感染しやすい地域
東アジア、東南アジア、南アジア、アフリカ、南米